寝酒は寝つきが良くなるけれど……

「眠れないときにはお酒を飲む」という習慣が、日本には深く浸透しているようです。欧米やアジアの10カ国を対象にしたアンケート調査(2002年)によると、日本では「不眠を解消するためにお酒を飲む」と答えた人の割合が非常に高く、10カ国中で第一位でした。

脳に効く「睡眠学」 / 宮崎 総一郎(著) を参考に作成]

もちろん本当によく眠れるのであれば何も問題はないのですが、実のところアルコールに頼ることには大きな問題があります。

寝つきを良くする効果はある

アルコールに入眠をうながす効果があるのは事実です。なかなか寝つけないと悩んでいるときに、寝酒を利用してみたらすんなり眠りにつけるようになった、という人はたくさんいると思います。

微量のアルコールには覚醒効果があるため、お酒を少し飲んだだけでは入眠に役立つことはありません。ところが体内のアルコールが一定の量を超えると、人は眠くなります。これは、アルコールが大脳の活動を鎮静化するように働き始めるからです。

この鎮静効果のおかげで、気分が興奮しているときやストレスに悩まされているときでも、スムーズに入眠できるようになります。しかし、この効果は一時的なものにすぎませんし、睡眠の途中で大きなデメリットが出てきます。

アルコールは睡眠の質を下げる

寝酒を利用して寝つきは良くなったものの、夜中に目が覚めてしまって困っている人も少なくないと思います。

アルコールは肝臓で分解されますが、その過程でアセトアルデヒドという物質に変化します。この物質は交感神経を刺激する作用があるため、休息状態にあった脳が覚醒してしまい、その結果夜中に目が覚めてしまうのです。

寝酒に頼り続けると、夜中に起きてしまうせいで睡眠時間が削られて、慢性的な睡眠不足に悩まされることになります。そして熟睡したいと思うあまり、お酒の量を増やし続けてしまう可能性も充分にあります。

こうしたことを考えると、お酒を飲むのはけっして効果的な不眠対策とは言えません。

寝酒から脱却するには?

「寝酒がないとどうしても眠れない」という方もいるかもしれません。その場合は、お酒の量を減らしつつメラトニンのサプリを活用するのがひとつの手段です。

メラトニンについてはこちらの記事で詳しく述べていますので、参考にしてみてください。