就寝3時間前に運動すると寝つきが良くなる!

「寝ようと思ってベッドに入ったけど、それから1時間も寝つけなかった……」そんな症状に悩んでいる方は多いようです。保健福祉動向調査(平成12年)によると、2割近くの人が「なかなか寝つけない」と回答しています。

もちろん、たまに寝つきの悪い日があるのは普通のことだと思います。しかし、毎日のように入眠に時間がかかるとしたら、それは入眠障害と呼ばれる不眠の一種かもしれません。できれば症状が悪化する前に、なにかの対策をとりたいところです。

では、具体的に何をすれば寝つきを改善できるのでしょうか? 睡眠関係の書籍をいろいろ調べたところ、「夜に適度な運動をすると寝つきが良くなる」という内容が載っていました。

何となくですが、夜に運動をすると頭も身体も興奮してしまい、寝つきが悪くなるような気もします。

しかし、睡眠環境学という書籍に「朝・夕方・夜に分けて軽めの運動をおこない、睡眠に対する影響を調べる」という実験が載っています。それによると夜の20:00~21:00に1時間の運動をすると、寝つきが改善されるという結果が出ています。

ほかの睡眠関係の専門書でも同じような結果が出ていたので、夜の運動の入眠改善効果は、かなり信憑性が高いと思います。

体温の一時的な上昇が、寝つきを改善するカギ

ところで、なぜ夜に運動をするとスムーズに入眠できるのでしょうか? これには人間の体温リズムが関係しています。

人間の体温は一日のなかで多少変動していて、日中に高くなり、夜になると下がります。そして、体温が高いところから低いところに急激に落ちると、人間は自然と眠くなるのだそうです。

● 時刻と体温の関係

夜に運動をすると、一時的に体温が上昇します。この体温の高い状態は、眠りにふさわしい状態は言えません。

しかし、運動後しばらくすると体温が下がり始めます。このとき、一度体温が上がったことによる反動が起きて、普段よりも急激に下降します(下図)。その結果、強い眠気がやってきて、寝つきが良くなるのだそうです。

● 時刻と体温の関係(運動時)

調べるまでは「運動すると体が疲れる、だから眠くなる」と単純に思っていたのですが、そういうわけではなかったんですね。

実際、睡眠心理学という書籍には、

運動による睡眠促進効果や睡眠改善効果は、身体疲労によるものではなく、運動に伴う加熱効果によるものと報告されている。

とあるので、やはり身体の疲れではなく体温の上昇と下降が、寝つきを良くする要因なのだと思います。

いつ、どんな運動をすればいいのか

運動によって寝つきがスムーズになることは事実だとして、「いつ」「どんな」運動をすると効果があるのでしょうか。

まず、運動する時間帯についてです。専門書に載っていた複数の実験から考えると、就寝3時間前というのが一つの目安になります。

たとえば、普段の就寝時刻が夜の23時なら、その3時間前の20時に運動をスタートします。
(運動時間は30分~1時間ほど)

そうすれば、普段就寝する時刻の2時間前には運動が終わります。運動後、すぐに体温が下がるわけではないので、この2時間の存在は重要です。

次に、どんな運動をすればいいのか?についてです。快適睡眠のすすめによると、

ジョギングや早歩き、ストレッチなどの軽い運動を、30分から1時間ぐらい

とのこと。

また睡眠環境学には、

心理的感覚としては少し汗をかく程度で何時間も続けられるような感じがする運動強度

と記載があります。具体的な数値としては、心拍数120bpm程度だそうです。スポーツジムのランニングマシンなどを使う場合は、この数値を目安にしてみて下さい。

ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動が効果的だと思うのですが、「夜間に外に出て運動したくない」という方もいると思います。そういう場合は、踏み台昇降(正確にはステッパー)は地味な運動ですが家の中でできる運動です。また、部屋にスペースがあるならエアロバイクもいいと思います。

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なお、運動中にエアコンの冷風などで体を冷やして体温上昇をさまたげると、睡眠に対する効果がはっきりしなくなるそうです。あくまでも体温を一度上昇させることが重要なので、運動中は適度な暑さを保ちましょう。

最後に私自身の話を少ししますが、私はクライミングが趣味なので仕事終わった後にクライミングジムでよく登っています(週2~3回)。

やはり、登り終わってから1~2時間たつと強い眠気がやってきて、スムーズに入眠できます。

ただし、軽めの運動ではなくて、それなりに強度の高い運動をしています。しかも3時間ほどやるので、睡眠のことを考えると運動しすぎかもしれません。それでも運動による寝つき改善効果がかなり大きいことを実感しています。
(体温変化だけではなく、単純に身体疲労による眠気もあると思います)

なお、どうしても運動が苦手なら、お風呂を活用しましょう。入浴すると体温が一時的な上昇するため、その後の体温低下にともなって入眠がスムーズになります。リラックス効果のあるアロマオイルやバスソルトを使えば、さらに寝つきが良くなると思います。