入眠サポートに『バレリアン』を使うのもひとつの手段

寝つきが悪くて悩んでいる人は多いと思います。30000人以上を対象にしたアンケートによると、「寝つきの問題を抱えている人は17%」との結果が出ています。割合としては5~6人にひとりなので、かなり多いと言えます。

寝つけないとイライラしてしまい、ますます目が覚めて眠れなくなる……という悪循環もあって、精神的にも疲れがたまると思います。

そんな入眠の悩みを解消するにはどうすればいいのかなと思い、いろいろ調べてみたところ、サプリメント事典にバレリアンというものが載っていました。調査した結果、精神的な不眠(イライラして眠れない、不安で眠れない)を緩和してくれる可能性がありそうです。

このページでは、睡眠に対するバレリアンの作用や、サプリメントの選び方などをまとめました。

バレリアンは、海外でよく使われているハーブ

バレリアンは植物の一種です。和名ではセイヨウカノコソウと呼ばれています。根や茎からエキスを抽出して、サプリメントとして使います。

バレリアンの歴史は古く、医療従事者のための機能性食品ガイド(講談社)には、

「古代ギリシャ時代から神経のたかぶりを抑える植物として用いられた」

との記載があります。古代ギリシャ時代がいつのことなのか、調べてもよく分からなかったのですが、少なくともバレリアンは数千年も前から使用されていたと言えます。

もちろん、その当時はサプリメントなど無かったはずなので、おそらくバレリアンの根を乾かしたものを、お茶にして飲んでいたのではと思います。

そんなバレリアンですが、現代ではどう使われているのでしょうか。調べたところ、たとえばドイツでは、なんと医薬品として処方することがあるそうです。

また、アメリカではバレリアンがよく利用されています。2002年に行われた大規模調査(3万人以上を対象)では、

「5.9%がバレリアンを使用し、5.2%がメラトニンを使っている」

という結果が出ています。入眠をうながすサプリメントとして、メラトニンは日本でも知名度が高いと思います。そのメラトニンとほぼ同じ割合の人が、バレリアンを使っています。この事実からも、バレリアンには高い入眠効果が期待できそうです。

ただし、海外の論文を調べたところ、バレリアンが不眠緩和に「効果あり」「効果なし」の両方の論文がありました。

どうやら、投与量や投与期間、さらにはバレリアンの産地などがバラバラなために、結果が分かれてしまったようです。バレリアンは入眠をうながす……と言い切りたいところですが、今のところ断言はできません。

なお、個人的な見解では、バレリアンが効くかどうかは、眠れない原因にもよると思います(これについては後述します)。

バレリアンを飲むとなぜ眠くなるのか?

バレリアンが眠気をもたらす理由は、明確には判明していません。ただ、作用メカニズムの推測は立てられています。

  • 脳内には、ギャバ(gaba)という物質がある
  • このギャバの働きによって、脳の活動が鎮静化する
  • バレリアンは、ギャバの働きを強化する
  • その結果、脳の活動が抑えられて、眠くなる

これだけだと、いまいち分からないと思うので少し詳しく説明します。

眠りの鍵は脳内物質ギャバ

人間の脳内には、情報をやりとりするための物質が何種類も存在しています。たとえば、ドーパミンはやる気をもたらす脳内物質として有名です。脳を活発にする働きがあることから、興奮系の脳内物質に区分されています。

ドーパミンと同じくギャバも脳内物質のひとつです。しかしドーパミンと違う点もあります。それは、ギャバには脳の活動を抑える働きがあることです。このことからギャバは「抑制系」の脳内物質に区分されています。

脳内でギャバがたくさん分泌されると、脳の活動が鈍ってきます。つまり眠くなります。

バレリアンは、脳内物質ギャバの働きを強化する

脳の中では、ドーパミンなどの興奮系の物質と、ギャバに代表される抑制系の物質が、天秤のようにバランスを保ちながら存在しています。

ただし、そのバランスは昼と夜で異なっています。日中は興奮系が優位になり、そのおかげでしっかり活動できます。逆に、夜になると抑制系が優位になり、脳の活動が低下して自然と眠くなります。

● 夜は、抑制系の脳内物質が優位になる

しかし、なんらかの理由で、夜になっても興奮系の物質が幅を利かせてしまう場合があります。

たとえば、強い不安やイライラなどを感じていると、ノルアドレナリンという脳内物質が分泌されます。このノルアドレナリンは、興奮系の代表物質です。たくさん分泌されてしまうと、スムーズに寝つけなくなります。

そんな状態のときに、バレリアンを摂取するとどうなるでしょうか。抑制系の物質であるギャバの働きが強まって、脳が鎮静化されます。その結果、眠くなるというわけです。

なお、先ほどからギャバの働きを強める、と書いていますが、具体的には、

  1. 大脳皮質からのギャバの放出を高める
  2. ギャバの利用効率を高める(ギャバがたくさん存在しても、脳内で利用されないと意味がないので)

のどちらか(両方かも)と推測されています。

バレリアンのサプリが向く人、向かない人

作用メカニズムを考慮すると、バレリアンは「不安、イライラ、考え事をしてしまう、などのために眠れない人」に向いていると言えます。これらは、すべて脳の過活動を引き起こすものだからです。その過活動を、バレリアンで抑えることができれば、眠れる可能性が高まります。

その反面、睡眠のリズムが狂っていて眠れない場合には、あまり効果が期待できないと思います。

たとえば、夜型の生活を続けていると、夜中になっても入眠できなくなります。この場合、脳の過活動のせいで寝つけないというよりも、体内時計のリズムが後ろにずれていることが原因で、眠れなくなっているはずです。

体内時計に関わる不眠には、バレリアンよりもメラトニンのほうが向いていると思います。メラトニンには、体内時計のリズムを調整する作用があるからです。

バレリアンのサプリメントの選び方

バレリアンのサプリメントは、日本製よりもアメリカ製のほうがたくさん種類があります(しかもリーズナブル)。

私自身、アメリカのサプリをよく利用するため、ここではアメリカ製のバレリアンサプリを3つ紹介します。

1.バレリアンルート Nature’s Way

海外サプリ通販で有名なサプリンクスという会社があるのですが、そこで取り扱っているバレリアンの中では、ネイチャーズウェイというメーカーのものが、レビューを多く集めています。

バレリアンルート Nature’s Way

いつもは処方薬を飲んでいますが、たまにこちらを代わりに飲みます。
日本のバレリアンに比べるとさすがに効きますね。1~2カプセル程度でふにゃ~となって眠れるので、優秀だと思います。

海外バレリアンということで、やはり効果が高そうです。

ただし、このメーカーのバレリアンに関しては、「匂いがダメ」という意見もいくつか見つかりました。

腐ってるのかと思ったくらい匂いが駄目でした。本当に臭い。納豆は好きだけどこの匂いはムリ。飲む際に手に出した後すら臭い。すぐに眠れなかったし……リピートなし。

かなり強烈な匂いするようです。レビューを見ているうちに興味が出てきてしまったので、早速注文してみました。
(商品が届いたら使用感を追記します)

2.ヨーロピアン バレリアンルート(5倍濃縮)

バレリアンは臭い……そんな意見が多い中、「匂いがしないバレリアンはないかな?」と探してみました。

レビューを見るかぎり、こちら↓のサプリメントは匂いが少ないようです。

ヨーロピアン バレリアンルート(5倍濃縮)

バレリアンは独特の匂いがあるので、サプリメントでも強い匂いがあることが多いんですが、この商品は匂いが(多少はするけど)あまり気になりません。そのおかげで飲みやすいです。リピート予定です。

なお、このサプリは「バレリン酸」という成分の量が保証されています。これは重要なポイントだと思います。調べたところによると、バレリアンの睡眠作用や抗不安作用は、バレリン酸によってもたらされる部分が大きいそうです。そのため、「バレリン酸が少ない= 効きにくい」という可能性があります。

バレリアンは天然の植物なので、一言でバレリアンと言っても、そこに含まれる成分が同じとは限りません。産地や栽培方法の違いによって、有効成分であるバレリン酸が少なくなることは、あり得ると思います。

そういう意味では、先に紹介したネイチャーズウェイのバレリアンよりも、バレリン酸の量が保証されているこちらのほうが、効果に期待が持てると思います。

3.スリープ(バレリアンルート配合)

最後に紹介するのは、アメリカの大手メーカーNOW社のバレリアンサプリです。

スリープ(バレリアンルート配合)

このサプリメントには次の特徴があります。

  • バレリン酸の量が保証されている
  • ホップやパッションフラワーなどの成分も配合されている

注目したいのはホップが配合されていることです。ホップは、日本ではビールの原料として有名ですが、ヨーロッパではリラックス効果のあるハーブとして知られています。

医療従事者のための機能性食品ガイド(講談社)には、バレリアンとホップを同時摂取した試験の結果が載っています。それによると、

  • 入眠がスムーズになる
  • 睡眠が深くなる

という結果が出ています。バレリアンとホップを一緒に摂るのは、効果がありそうです。

ただ、個人的には、まずバレリアン単独のサプリを使うのがいいと思います。それで効果が得られれば、それでいいですし、ダメだった場合にはホップ入りのバレリアンを使ってみる。そんな流れがいいのではないか、と思います。