昼間強烈に眠くなる原因は大きく分けて3つある

「しっかり眠ったはずなのに、お昼過ぎになると急に眠気がやってくる……」
このような経験をしたことがある方は少なくないと思います。

人間の眠気には一定のリズムがあるのですが、実は昼の2時過ぎに「眠気の小さな山」があることが、これまでの睡眠に関する研究で明らかになっています。

[眠気のリズム]

脳に効く「睡眠学」 / 宮崎 総一郎(著) を参考に作成]

ですので、お昼すぎに多少の眠気を感じるのは自然なことと言えます。とくに昼ご飯のあとは、食べ物を消化するために血液が胃に集中します。その結果、脳に流れる血液が少なくなるので、眠気を感じやすいのです。

しかし、もし我慢できないほどの眠気に日ごろから襲われているとしたら、それは自然なことではありません。

そこで、昼間強烈に眠くなる原因についてまとめてみました。

1.食後の低血糖が眠気を引きおこす

もし昼間の眠気が「食後」に限定してやってくるようであれば、食後の低血糖が関係している可能性があります。

低血糖とは、その名のとおり「血糖値が正常な範囲を超えて低くなること」です。ただし、常に血糖値が低いわけではなく、ある一定の事柄が引き金になって、一時的に血糖値が低くなります。

その引き金というのは、炭水化物の摂りすぎです。

炭水化物を一度にたくさん摂ると、血糖値が急上昇します。そして、上がりすぎた血糖値を抑えるためにインスリンの分泌が始まります。このときインスリンが過剰に分泌されてしまうと、今度は血糖値を抑えすぎることになり、低血糖が引きおこされるのです。

低血糖状態になると、倦怠感をともなった眠気を感じやすくなります。単純に眠いだけでなく「頭がぼうっとする」「身体がだるくて重い」といった症状も感じるようなら、低血糖が関係している可能性が高いです。

昼ご飯を食べなくても(=炭水化物をとらなくても)眠くなるとしたら、それは低血糖による眠気ではなく、別の原因によって生じている眠気と考えられます。

食後の低血糖を避けるには

低血糖は炭水化物を一度に摂りすぎるせいで起こります。ですので、次の3つを心がけるのが基本的な対策になります。

  1. 炭水化物だけの食事にしない
  2. 一回の食事の量をおさえる(腹七7~8分目を目安に)
  3. 間食を活用する

ここで覚えておきたいのは、「炭水化物自体は悪者ではない」ということです。あくまでも、炭水化物を短時間で過剰摂取するのが問題なのです。

ですので、間食をするときは炭水化物をとってもかまいません(食べすぎには要注意ですが)。

お昼の食事を腹7~8分目におさえると、当然早めにお腹がすきます。この空腹状態が続けば、その反動で夕食を食べすぎて低血糖になってしまいます。仕事をしているときは、間食するのが難しい場合もあると思いますが、休憩時間に軽く何かを口にすると、空腹感もなくなりますし血糖値も安定します。

2.中年以降に多くみられる「睡眠時無呼吸症候群」の影響

日本では200万人くらいの潜在的患者がいるとされている「睡眠時無呼吸症候群」。これは睡眠障害のひとつで、寝ているときに呼吸が停止する病気です。

睡眠時無呼吸症候群になると、呼吸停止のタイミングで脳が覚醒してしまい、深い睡眠がとれなくなります。本人はぐっすり眠ったつもりでも、睡眠の質が極端に悪くなっているため、脳と身体の疲れを回復できません。その影響で、日中に強烈な眠気に襲われてしまうのです。

● 睡眠時無呼吸症候群にかかっているときの睡眠リズム

睡眠時無呼吸症候群かどうか、本人が自覚することは通常できません(眠っている間の出来事なので)。

しかし、次のような症状を家族から指摘されたことがあるなら、睡眠時無呼吸症候群になっている可能性が高いと言えます。睡眠クリニックや睡眠外来を受診してみて下さい。

① 寝ている間にいびきをかく
    ↓
② 突然いびきが止まり、それに合わせて呼吸も止まる
    ↓
③ しばらくたってから、轟音のような強いいびきが出る
    ↓
④ 1~3の繰り返し

3.もしかしたら過眠症かも……?

かなり稀なケースですが、過眠症が昼の眠気に関係していることもあります。過眠症にはいくつか種類があり、その中でもナルコレプシーという病気は「突然睡魔に襲われてどんな状況でも眠ってしまう」というもので、強烈な眠気をともないます。

次の特徴に当てはまるようなら、ナルコレプシーになっている可能性が否定できませんので、睡眠を専門としている医療機関で検査してもらうことをオススメします。

  • 1日に3~5回ほど居眠りをしてしまう
  • 居眠りの時間は10~20分程度と短い
  • 「笑う」「驚く」「怒る」などの感情の変化にともなって、身体の力が抜けることがある
  • 眠り始めのタイミングで幻覚を見ることが多い
  • 金縛りにあうことが多い

※ ナルコレプシーの有症率は1,000人に1人程度と言われています。また、10代のうちに発症するケースが多いことが確認されています。

上記3つに当てはまらない場合に考えられるのは?

上記で述べた3つの要因に心当たりがないのに日中眠くなるとしたら、それは睡眠が慢性的に浅くなっていることが原因かもしれません。

通常、眠り始めの3時間に「深い睡眠」が現れますが、これは脳と身体の疲労を回復するために欠かせないものです。

[睡眠時間と睡眠深度の関係]

しかし、何らかの要因のせいで眠り始めの時間帯の睡眠が浅くなると、疲れをうまく回復できなくなり、日中の眠気につながります。

では、睡眠が浅くなる要因にはどういったものがあるのでしょうか。

まず考えられるのは「加齢による影響」です。40代に入ったころから、深い眠りをとることが次第に難しくなっていきます。これは睡眠ホルモンである「メラトニン」の分泌量が、年齢を重ねるにしたがって減っていくことが関係していると言われています。

グラフ-メラトニンの分泌量と年齢の関係

浅い睡眠をまねく原因は他にもあります。それは「寝る前にしている行動」です。詳しくは質の悪い睡眠をまねく夜のNG習慣7つで述べていますが、次のような習慣があるなら、どれか一つでも改善すると眠りの質が良くなると思います。

  1. 夜遅くにコンビニに行く
  2. カフェイン飲料を飲み過ぎる
  3. 寝酒をしている
  4. 夜遅くに食事をしている
  5. 夜遅くに激しい運動をしている
  6. 熱すぎるお風呂に入っている
  7. 寝る前に長時間考え事をしている

また、どうしても眠いときは昼寝をするのもアリですが、やり方を間違えると疲れが残ったり、夜の睡眠に悪影響が出たりしますので注意しましょう。