夜中に何度も目が覚めてしまう『中途覚醒』の原因と対策

「寝つきが悪いわけではないけど、夜中に何度も目が覚めてしまう」という経験をしたことはありませんか?

このような症状は「中途覚醒」と呼ばれる不眠の症状です。一般的には「夜中に2回以上目を覚ます日が、週に3日以上ある」という場合、中途覚醒と判断されます。

睡眠の深さはその日の疲れ具合や身体の調子にも左右されるので、夜中に1~2回ほど目が覚める日がたまにあるのは普通のことです。

しかし、これがもっと頻繁にあるなら問題です。頻繁にあるということは、浅い眠りが慢性化している可能性が高いからです。睡眠が浅ければその分だけ疲労回復がうまく進みません。脳や身体にどんどん疲れが蓄積してしまいます。

夜中に目が覚めてしまうメカニズム

中途覚醒に悩まされている方は、眠り始めてから3時間か4時間半で目が覚めてしまうことが多いようです。たとえば「毎日深夜0時ころに寝ているけど、決まって夜中の3時に一度目が覚める」などです。

この現象には、睡眠のサイクルが関係しています。人の眠りには約90分周期で浅くなるタイミングがあり、この浅い眠りのときに目が覚めやすくなるのです。3時間や4時間半というのは90分の倍数ですから、このタイミングで目が覚めやすいのは当然のことと言えます。
(※ 睡眠の周期には個人差があり、80分周期の人もいれば100分周期の人もいます)

[睡眠時間と睡眠深度:約90分ごとに浅い眠りが出現する]

しかし、約90分周期で浅い眠りがやってきても、そのままぐっすり眠り続けられる人とそうでない人がいます。その違いは何なのでしょうか?

それは、浅い眠りのときに「目が覚めてしまうような刺激」があるかどうかです。睡眠が浅くなるタイミングで何らかの刺激をうけると、中途覚醒を起こしやすくなるのです。

中途覚醒の原因になる刺激

1.精神的ストレスによる悪夢

経験的に多くの人が実感していることと思いますが、精神的ストレスがあると悪夢を見やすくなります。そして悪夢は人の脳の感情をつかさどる部位を強く刺激するため、夜中に目が覚める原因になります。

精神的ストレスが起因となっている中途覚醒には「一度目を覚ますと再び寝つくのに時間がかかる」という特徴があります。再入眠にかかる時間のぶん、睡眠が削られてしまうわけですから、身体には大きな負担になります。

対策は「就寝前にリラックスする時間をできるだけ作ること」です。手軽かつ効果的なのは入浴です。ラベンダーやバレリアンなど鎮静作用のあるバスソルトを利用すると、さらにリラックスできます。ストレスの根本的な解決にはなりませんが、夢のせいで夜中に起きてしまう頻度は確実に減ると思います。

2.アルコールの分解による刺激

お酒を飲んだ直後に寝ると、中途覚醒が起こる可能性が非常に高くなります。

アルコールは肝臓で分解されるとアセトアルデヒドという物質に変わりますが、この物質は交感神経を刺激します。そのため、せっかく休息時間に入っていた脳が興奮してしまい、夜中に目覚めやすくなるのです。

アセトアルデヒドは最終的には無害な物質(酢酸)に分解されます。それまでにかかる時間を考えると就寝2~3時間前にお酒を切り上げるのがベターです。

なお、「日本人は不眠解消のためにお酒を飲む人が非常に多い」という調査結果があります。

「お酒を飲まないと眠れない!」という方は、次のページが睡眠改善の参考になると思います。

3.寝がえり時のまくらの音

寝返りをするときに頭と枕がすれて耳元で鳴る音も、浅い眠りのときには目が覚める引き金になります。とくにそば殻やコルマ素材の枕は寝がえり時の音が大きいため、中途覚醒の原因になりやすいと言えます。

あまり神経質になりすぎる必要はありませんが、心あたりのある方は枕の素材を変えてみるといいかもしれません。羽根(フェザー)、ポリエステルわた、ウレタンフォームなどは音が鳴りません。

上記の3つが当てはまらない場合

中途覚醒の原因としてほかに考えられるのは、体質的に眠りが浅くなっていることです。「寝酒もしていないしストレスで悪夢を見るわけでもないのに、夜中に目が覚めてしまう」という場合は、元々の睡眠の深さが足りていないことを疑ってみてください。

また、年齢にともなって睡眠は浅くなる傾向があるので、それが原因になっている場合もあります。

睡眠の深さは、生活習慣と深い関係があります。詳しくは「質の悪い睡眠をまねく夜のNG習慣7つ」で述べていますが、深い眠りをさまたげる要因をひとつずつ取り除くことが、ぐっすりとした眠りをもたらします。

なお、睡眠の深さを増すには、グリシン(アミノ酸の一種)を摂取するのもひとつの手段です。グリシンについては「眠りを深くするグリシン」で詳細を述べていますので、参考にしていただければと思います。