メラトニンのサプリメントを使わない方がいい場合もある

メラトニンは副作用がきわめて小さい物質です。メラトニンが発見されて以来、さまざまな実験によって、その安全性が確認されています。

しかし、副作用が少ないからといって、どんな人でもメラトニンのサプリメントを使って大丈夫なのかといえば、それは違います。使用を控えたほうがいい場合もあります。

1.妊娠を望んでいる女性

メラトニンには性腺の働きを抑制する作用があります。そのため、メラトニンを大量に服用すると、排卵がさまたげられてしまう可能性があります。

実際、オランダでおこなわれた大規模な調査では、1日につき75mgのメラトニンを投与すると排卵がストップすることが確認されています。この作用を利用して、海外ではメラトニンを配合したピル(経口避妊薬)が開発されているほどです。

ただし、不眠対策として使われるメラトニンの量なら、妊娠に影響はしないと考える専門家もいます。不眠の症状をやわらげるために使われるメラトニンは1~10mg程度で、排卵がストップする量75mgと比べるとかなりの差があります。

しかし、メラトニンはホルモンの一種です。そしてホルモンは少ない量でも大きな影響を体に与えます。このことを考えると、妊娠を望んでいる場合はメラトニンのサプリメントを使わないほうが無難と言えます。

2.妊娠中もしくは授乳中の女性

妊娠中の女性がメラトニンを摂ったときにどうなるか、その調査報告は今までにありません。そのため、どのような影響が出るのか分かっていないというのが現状です。

また、授乳中にメラトニンのサプリメントを飲むと、母乳にメラトニンが出てしまう可能性があります。あとで述べますが、子供(乳幼児を含む)にはメラトニンを服用させないほうが良いとされていますので、授乳中も気をつけたほうがいいでしょう。

3.全年齢の子供

子供にメラトニンのサプリメントを使うことには注意が必要です。なぜなら、成長に影響が出る可能性があるからです(とくに性機能の発育)。

少し詳しく説明します。

メラトニンの分泌量は、10代の初めまではかなり高いレベルを維持します。ところが、ある時期にさしかかると分泌量が減ります。メラトニンの分泌が減るタイミング、それは第2次性徴をむかえるタイミングと一致します。

グラフ-メラトニンの分泌量と年齢の関係

第2次性徴までは性腺の働きが抑制されているのですが、その抑制をしているのは実はメラトニンなのです。そして、メラトニンの分泌レベルが下がることで、それまで抑えられていた性腺の働きが活発になり、成長期に突入します。

ですので、メラトニンの服用によって性腺の抑制メカニズムが乱れてしまい、それが発育に何らかの影響をおよぼすことは充分に考えられます。

ただし、これはあくまでも仮説です。子供にメラトニンを投与したときの臨床データは充分にそろっていないので、本当に発育に影響があるのか判明していません。とはいえ、メラトニンが性腺の働きに関係していること自体は事実です。

子供にメラトニンを使うのは、睡眠相後退症候群などにかかっている場合だと思います。睡眠相後退症候群とは、睡眠時間帯が後ろにずれてしまい、夜中や明け方にならないと寝つけない睡眠障害です。その対策としてメラトニンを使用ことはありえます。

子供にメラトニンを服用させる場合、かならず医師に確認をとるようにしましょう。「一日の使用量が0.3~1.5mg程度なら安全」という専門家の意見もあります。

若年者に対しても使用経験や有効性が報告され、現在のところ副作用の報告はない。
(中略)
医師の責任で副作用を見守りつつ(0.3~1.5mg / 日)正確に使用することを心掛ければ、安全で有効なホルモンである。

なお、メラトニンは直接摂取しなくても、分泌量を増やす方法があります。たとえば、「寝る前に強い光を浴びない」「メラトニンの原料をしっかり摂る」などです。詳細は「メラトニンの分泌をスムーズにさせる3つのポイント」で述べていますので、参考にしてみて下さい。