充分に眠っているはずなのに熟睡感がない『熟眠障害』の原因と対策

「寝つきは悪くないし睡眠時間もそれなりにとっている。それなのに熟睡感がなくて朝の目覚めがつらい……」

このような悩みを抱えている方は熟眠障害の可能性があります。熟眠障害は不眠症の一種です。熟眠不全と呼ばれることもあります。ただの寝不足とは異なり、睡眠時間自体は足りています。しかし、なぜか熟睡した感じが得られません。

熟眠障害は周囲に理解されづらい症状です。「8時間も寝てるんだから大丈夫でしょ?」などと言われてしまうことも多いと思います。寝つきが悪い入眠障害や、夜中に目が覚める中途覚醒などの不眠と比べると、熟眠障害の症状はかなり分かりにくいです。

熟睡感が得られないと「もっと睡眠をとらなきゃ」と感じ、休日にまとめて睡眠をとる人も多いと思います。しかし、たくさん寝てもスッキリすることは滅多にありません。熟眠障害の状態で長時間の睡眠をとったとしても、それは根本的な解決策には決してなりません。なぜなら、問題は睡眠時間にあるわけではないからです。

では、熟眠障害の原因は何なのでしょうか?

熟眠障害の原因とは?

質のいい睡眠って結局なんなの?」で詳しく述べていますが、熟睡感のカギは深いノンレム睡眠をとれるかどうかです。

深いノンレム睡眠は脳の疲労を回復させる働きがあります。逆に言うと、この睡眠がしっかり得られなければ、脳は充分に休息できないということです。

脳の疲れが残ったままだと「もっと眠りたい」と脳は司令を出します。しかし、体本体の休息は完了しているので、起床準備が始まって目が覚めます。その状態で起床すれば、脳の疲れが残っているために熟睡感がなくなります。

つまり、熟眠障害の原因は「深いノンレム睡眠が得られなかったために、脳疲労が残っている」ことです。

そして、ここで重要なポイントがあります。それは、深いノンレム睡眠がいつ出現するのか?です。実は、眠り始めの3時間に集中して現れ、睡眠の後半にはほとんど出てきません。

次の図は、睡眠時間と睡眠深度の関係を示しています。睡眠前半の3時間に、深いノンレム睡眠が出現することが見てとれると思います。

眠り始めの睡眠が浅ければ、脳が充分に休息できません。その結果、熟眠障害に陥ってしまうのです。

「熟眠障害の状態でたくさんの睡眠をとっても解決策にならない」というのも、睡眠後半には深いノンレム睡眠が出てこないからです。あくまでも、前半の3時間で深い睡眠を得ることが重要です。

熟眠障害を改善するには?

熟眠障害を治すには、眠り始めの3時間の睡眠を深める必要があります。その方法はたくさんありますが、まずは生活習慣の改善から始めるといいと思います。具体的には、「質の悪い睡眠をまねく夜のNG習慣7つ」で述べている習慣をやめていくことです。

しかし、それだけでは思ったような効果が得られない場合もあるはずです。そんなときは、就寝前にグリシン(アミノ酸の一種)を摂取するのも有効な手段です。グリシンは、睡眠の深さを増すと言われている成分です。

アミノ酸なので日常の食事からも摂れますが、睡眠のために利用するなら、サプリメントを使うほうが確実です。私も一時期使っていましたが、睡眠を深くする作用はたしかにあると感じました。

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なお、グリシンについては「眠りを深くするグリシンで熟睡感を手に入れよう」も参考にしてみて下さい。

追記:ロングスリーパーで悩んでいる方へ

「熟睡感がない」「朝に強烈なだるさを感じる」というのはロングスリーパー体質の方にも当てはまることと思います。

ロングスリーパーかどうかは遺伝で決まると考えられています。しかし、ただの熟眠障害をロングスリーパーと誤認しているケースもありえるのではないでしょうか。

熟眠障害を改善するための対策を続けていけば、今より少ない睡眠時間で済むようになる可能性は充分にあります。