夜型生活を直すために最初に実行したいこと

人間の睡眠リズムには、朝型・夜型・その中間の昼型の3種類があります。この中で一番不利なのは夜型だと思います。午前中に調子が上がらないため、仕事や学業、家事、育児などをしていく上で不都合になることが多々あります。

本当は夜型にもメリットがあって、朝型の人に比べて「時差ボケしにくい」「不規則な勤務に向いている」などの強みがあります。しかし、それを加味してもデメリットが大きいのは事実だと思います。そのためか、夜型から朝型に変わりたい!という人は多いようです。

Yahoo!知恵袋を覗いてみると「睡眠薬を使って夜型を治すことはできますか?」という質問も見つかります。かなり深刻に悩んでいる人もいるのだと思います。

夜型を治すために、市販の薬を使うことは有効でしょうか?

精神科で睡眠薬…というところまでいかなくて、何か市販の睡眠薬や鎮静剤のような薬を使いたいのですが。
また、よい販売薬の名前がわかりましたら教えていただきたいです。

現在、夜型で朝6時過ぎまで眠れず、昼過ぎに起きる生活です。
普通に朝7時に起きる生活がしたいのですが、どうしても、起き続けることができず、昼寝もしてしまいます…
そのため、今もそうですが夜に眠れない繰り返しです。

引用:Yahoo!知恵袋 – 夜型を治すために、市販の薬を使うことは有効……

そんな夜型を直すには、どうすればいいのでしょうか。睡眠関係の書籍をみると、「とにかく朝早く起きるようにしましょう」と書かれていることが多いです。早起きすればそのぶん就寝時間も早くなるので、そのうち夜型リズムが直る、という話です。

しかし、これを実行するのはかなり難しいと思います。夜型の人にとっては、そもそも朝早く起きることが非常に困難で苦しいからです。早起きにチャレンジしたところで、寝不足ぎみになって週末に朝寝坊をしてしまい、夜型リズムに逆戻りする。そんなパターンが多いのではないかと思います。
(これは私自身にも当てはまることですが……)

夜型を改善するためには、継続しやすい方法を選ぶことが重要だと思います。どんな方法を使ったとしても、1日2日では改善できないはずだからです。そこでオススメなのが「夜9時になったらサングラスをかける」という方法です。

サングラスをかけると早く眠れるようになる

なぜ夜にサングラスをかけて過ごすと夜型が直るのでしょうか。それは人間の体内時計の働きを考えると分かります。

夜になると眠くなり、朝になると自然と目が覚める……このリズムを作っているのが体内時計です。体内時計というと、イメージ上の産物というか、何かの比喩だと思っている人も多いかもしれません。しかし、体内時計の機能は人間のからだの中に実際に存在しています。脳の視交叉上核(しこうさじょうかく)に親時計があるほか、心臓や肝臓、血管、皮膚の細胞内にも子時計があります。

(体内時計がどうやって時間を計るのかについては、ここでは省略します)

体内時計の働きで重要なのは、夜になると「メラトニン」というホルモンの分泌をうながす点です。メラトニンは睡眠ホルモンと言われている物質です。体内でこの物質の濃度が高くなると、自然と眠気がやってきます。

メラトニンは一般的に夜9時くらいから分泌が始まって、深夜にピークを迎えます。そして、朝が近づくにつれてメラトニンの体内濃度は下がっていきます。

■ メラトニン分泌量と時刻の関係

しかし、夜型生活にどっぷり浸かっている場合は話が変わってきます。体内時計のリズムが普通の人よりも後ろにシフトしているせいで、深夜にならないとメラトニンの分泌が高まりません。

夜型の人は、深夜1時2時まで目が冴えて眠れない日が多いと思います。これは単に遅寝遅起きが習慣になっているからではなく、メラトニンの分泌タイミングが後ろにズレているからだと考えられます。

ということは、メラトニンの分泌開始を前倒しできれば、早い時間に眠くなるとも言えます。早く眠ることができれば、朝早く起きるのもそれほど苦にならないはずです。少なくとも必要な睡眠時間はきちんと確保できます。急に早起きにチャレンジするよりも圧倒的に楽だと思います。

では、どうすればメラトニンの分泌タイミングを早められるのでしょうか。その答えのひとつが、すでに述べた「夜になったらサングラスをかけて過ごす」です。

メラトニンの分泌は、外界の明るさに影響されます。眼に入ってくる光が多いとメラトニンは出にくくなります。その逆に、周囲が暗くて光が少ないと分泌量が増えます。

そして重要なのは「自宅の蛍光灯の明るさ程度でも、メラトニンの分泌は妨げられる」という事実です。一般的なリビングの明るさは400ルクスくらいと思われますが、この程度の明るさの光でも2~3時間浴び続ければメラトニン分泌に悪影響が出てきます。
(詳細:メラトニンの分泌を抑制してしまう光の強さは何ルクス?

ただでさえ夜型の習慣が身についている状況です。そこに部屋の照明のせいでメラトニンが出にくくなれば、分泌タイミングを前倒しするのは不可能になると思います。だからこそ、サングラスをかけて目に入ってくる光を弱めるわけです。

さらにサングラスをかければ、部屋の照明だけでなくテレビやパソコン、スマホの画面の光も弱めることができます。これらの電子機器の画面からは、青色波長の光(ブルーライト)が多く放出されているそうですが、ブルーライトはメラトニン分泌を強く抑制します。「時計遺伝子」の力をもっと活かす! (小学館)には、

たった8ルクスの青色光であっても、白色光の1200ルクスと同様の悪さをします。

と書かれているので、パソコンやスマホの光でも馬鹿にできない影響があると思います。

また、夜型の人ほど光の影響を受けてさらに夜型化しやすいという話もあります。体内時計のふしぎ (光文社新書) には次のように書かれています。

ところで、私たちの中には夜型を好む人と朝型を好む人がいることが経験的に知られていますが、アンケート調査によってより客観的に分類できることが分かっています。

(中略)

すると、朝型の人は室内光の環境でも、自然光の環境でも、どちらでも体内時計の時刻はあまり変化しないのですが、夜型の人ほど室内光の環境における体内時計の夜型化が顕著だったのです。

これが事実ならば、夜型リズムにおちいっている人ほど夜の光を防止する必要があります。

サングラスは夜の9時からかける

朝型や昼型のリズムの人は、体内のメラトニン濃度が夜9時ころから上昇すると考えられます。夜型の人はそれに合わせるために、夜9時にはサングラスをかけるようにしましょう。

もっと早い時刻からかけてもOKですが、日が昇っている時間からかけるのはオススメしません。メラトニンの原料であるセロトニンは、太陽の光を日中に浴びることで生成されます。そのため、サングラスを日中にかけているとセロトニンの生成量が少なくなり、結果的に夜のメラトニンも減少してしまいます。

サングラスを1日2日試しただけでは何の効果も感じられないかもしれません。しかし、少しずつメラトニンの分泌タイミングが早まってくると、しだいに眠くなる時間帯も早まると思います。

ちなみに、サングラスの色はグレー系よりもブラウン系がおすすめです。ブラウン系のサングラスはブルーライトをカットする働きが強いからです。また、ブラウンなどの暖色系の色はリラックス作用があり、眠りに良い影響をもたらしてくれる点も長所です。

すでにメガネを日常的に使っている人は、度付きのサングラスを使うようにしましょう。眼鏡屋に行けば、普通のメガネと同価格で売っています。メガネを余分に用意することになりますが、夜型改善がうまくいくならお釣りがくると思います。なお、光が眼に入らないようにするのが目的なので、レンズが大きめの眼鏡にしましょう。

補足:ここまでサングラスと書きましたが、ブルーライトカット眼鏡でもOKだと思います。私はJINSで買ったブラウンレンズのブルーライトカット眼鏡を愛用しています。

追記

夜型を直す方法はいくつかあります。高容量のビタミンB12を摂取することも、その方法のひとつです。これについては「体内時計のズレをリセットする方法は、ビタミンB12をしっかり摂ること」で詳しく書いています。