朝起きられない原因を知って『朝が苦手』を克服しよう

睡眠に関する悩みとして真っ先に挙げられるのが「夜寝つけない」という症状ですが、それと同じくらいつらいのが「朝起きられない」です。

私自身、朝起きるのが苦手なことに長年悩んできた経験があり、夜眠れないことよりも、朝起きられないことの方が精神的な負担が大きかった覚えがあります。

朝起きられないという症状は、れっきとした睡眠障害の一種です。専門的には起床障害と呼ばれています。

起床障害を治すためには、まずは起きられない原因を知ることですが、その前に述べておきたいことがあります。

それは、『朝起きられないのは意思が弱いからではない』ということです。

朝起きられないと「自分は意思が弱くてダメな人間なんだ」と思い込んでしまうことも多いかもしれません。しかし、そう思う必要はありません。意思の強さとは無関係です。原因は別のところにあります。

それでは、朝起きられない原因を順に見ていきましょう。

朝起きられない主な原因3つ

1.セロトニンが不足している

セロトニンは精神を安定させるホルモンとして知られていますが、睡眠に対しても大きな役割を持っています。

それは「朝の覚醒をうながす」ということです。セロトニンは寝ている間にはほとんど分泌されず、朝が近づくにつれて分泌が増えていき、目覚めをうながします。

しかし、何らかの理由によってセロトニンの分泌量が朝になっても増えていかないと、スムーズに起きられなくなります。

私が起きられなかった一番の原因は、おそらくこのセロトニン不足です。セロトニンは朝日を浴びたり適度な運動をしたりすることで分泌量が増えますが、体質的にセロトニンを生成しにくい人もいるようです(たぶん私がそうです)

セロトニンの分泌を増やす方法はいろいろありますが、一番効果があるのはトリプトファンを摂ることです。トリプトファンはセロトニンの原料になる物質なので、トリプトファンを摂取することはセロトニンの増加に直接つながります。

トリプトファンはアミノ酸の一種なので、日々の食事から摂ることができます。ただし、トリプトファンの量を考えながら食事を作るのは手間がかかります。余計な精神的ストレスを生むことにもなりかねません。私はそういった負担を避けたいので、サプリメントを活用するようにしています。

なお、セロトニンの働きについては「マンガでわかる神経伝達物質の働き(サイエンス・アイ新書)」に詳しく載っています。以下は、同書からの引用です。

朝日を浴びると、睡眠中はほとんど休止状態にあったセロトニン神経系が活動を始め、セロトニンを分泌するようになる。同時にノルアドレナリンなども分泌され、脳が覚醒し、活動を開始するというわけだ。

(中略)

すっきり気持ちよく起きられるのは、セロトニンがしっかり働いているからだ。逆にセロトニンの働きが悪いと、なかなか脳が活動してくれない。朝起きるのもつらくなり、ずっと眠っていたくなる。

2.眠りの質が低下している

睡眠の質が低下していることも、朝起きられない原因になります。睡眠の質は「深いノンレム睡眠」と関係しています。

次の図は、睡眠時間と睡眠深度を表しています。

睡眠前半には「ステージ3・4」のノンレム睡眠が出現しますが、この睡眠が少ないと疲労感が取れず、結果として朝の目覚めが悪くなります。

このタイプは、全体的に眠りが浅くなりがちで、夜中に目が覚めることも多いようです。

睡眠の質は生活習慣と関係があり、夜遅くに食事をとったり寝酒をしたりすると睡眠が浅くなります。詳しくは「質の悪い睡眠をまねく夜のNG習慣7つ」で述べているので参考にしてみて下さい。

また、生活習慣を改善する以外には、アミノ酸の一種「グリシン」を摂取するのもひとつの方法です。グリシンは睡眠の深さを増す効果があると言われています。

3.体内時計の機能が弱まっている

人間の睡眠リズムは体内時計によってコントロールされていますが、この体内時計の機能が弱まったり壊れたりすると、朝起きられなくなります。不規則な生活や深夜勤務などを長期間続けていると、体内時計が故障すると言われています。

このタイプの特徴は、朝起きられないだけではなく、夜眠れないという症状も一緒に起こることです。症状が深刻になると、『睡眠相後退症候群』や『非24時間睡眠覚醒症候群』といった睡眠障害に発展する危険性があります。

体内時計の機能を調整するには、「毎日同じ時刻に寝て同じ時刻に起きる」「朝日を浴びる」というのが基本的な方法です。

しかし、体質的に体内時計が乱れやすい場合はそれだけでは不充分な可能性があります(たとえば光に対する感受性が強すぎる場合など)。そういうときは「体内時計のズレを治す方法3つ」を参考にして、体内時計の機能を回復するようにしましょう。

追記

上記の3つ以外にも、朝の目覚めが悪くなる原因はあります。たとえば副腎疲労などです(副腎疲労については、後日まとめて別ページに掲載します)。また、最近では起立性起床障害という睡眠障害が注目されています。

「原因がよく分からない」「何から手をつけていいか分からない」という方もいると思います。そういう場合は、睡眠を専門に診ている病院に行ってみるのもひとつの手段です。