トリプトファン⇒セロトニン⇒メラトニンという流れが大切!

メラトニンやセロトニン、トリプトファンなどの言葉を聞いたことがありますか? どれも睡眠に関係する物質の名称です。何となく聞いたことのある方はいるかもしれません。ただ、詳しく知っている人は少ないと思います。

私自身、睡眠について詳しく調べるまでは知らなかったのですが、「メラトニン」「セロトニン」「トリプトファン」という3つの物質は、睡眠に深く関係しています。

  • 夜なかなか寝つけない
  • 朝の目覚めがスッキリしない

などの悩みがある方は、まずこの3つの物質の関係を知ることから始めてみましょう。きっと悩みの解決に役立つと思います。

メラトニンがスムーズな入眠を導く

メラトニンは、脳内の松果体(しょうかたい)という器官から分泌されるホルモンです。メラトニンが分泌されると人は眠くなります。それは、メラトニンが次の作用を持っているからです。

  • 深部体温を下げる
  • 副交感神経を優位にする
  • 呼吸や脈拍、血圧を低くする

これらの作用のおかげで、私たちの身体は眠りに適した状態になります。個人的には、メラトニンの体温を下げる働きは特に重要だと思います。体温が高いところから低いところに落ちるときに、人は眠気を感じるからです。
(入浴後に寝つきが良くなるのも、体温変化が起きるから)

そんなメラトニンですが、一般的には夜9時頃から分泌が始まります。そして夜11時くらいになると、眠気を感じるレベルにまで分泌量が増えます。

● メラトニン分泌量と時刻の関係

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こう書くと、夜になれば自動的にメラトニンが分泌されて、眠気が必ずやってくるようにも思えます。しかし実は少し違います。メラトニン分泌はさまざま要因に影響を受けるため、場合によっては分泌が増えない可能性もあります。たとえば、夜に強い光を浴びるとメラトニンの分泌は妨げられます。

メラトニンの分泌量を増やすためには、まず夜間の照明環境を工夫する必要があります。夜9~10時になったら暗い暖色照明のもとで過ごすなど、できるだけ光を浴びないようにします。
(詳細:メラトニンの分泌を抑制してしまう光の強さは何ルクス?

そしてもうひとつ、メラトニン分泌を高めるポイントがあります。それはメラトニンの材料をしっかり用意しておくことです。材料が豊富にあれば、メラトニンがたくさん生成されるので分泌量も増えます。

では、メラトニンの材料とは何なのでしょうか。それはセロトニンです。

セロトニンはメラトニンの材料になる

セロトニンは、メラトニンと同じく脳内で分泌される物質で、精神を安定させる働きを持っています。大きなストレスにさらされた場合に、不安や怒りなどの感情が沸き上がることは誰でもあると思います。セロトニンは、それらの感情をほどよく制御すると考えられています。

この精神安定作用は注目を浴びているようで、アマゾンで書籍を検索したところ、たくさんのセロトニン関連本が見つかりました。
(たとえばセロトニン呼吸法セロトニン欠乏脳など)

しかし、セロトニンの働きは精神安定だけではありません。メラトニンの材料になることによって、間接的に夜の安眠にも関係しています。

● セロトニンがメラトニンに変化する

セロトニンが増えれば最終的にメラトニンも増えるので、グッスリ眠れるはずです。

ただし覚えておきたいのは、両者の分泌タイミングが異なることです。メラトニンが夜間に分泌されるのに対し、セロトニンは日中にたくさん分泌されます。

日中に分泌されたセロトニンは、夜になると特定の酵素の働きを受けてメラトニンに生まれ変わります。その結果、自然な眠りがもたらされます。そんなプロセスが、私たちの脳の中で起こっています。

では、セロトニンの分泌を増やすにはどうすればいいでしょうか?

まず太陽の光を浴びることが重要です。メラトニンは光の刺激を浴びると分泌が抑制されますが、セロトニンは逆です。太陽の光が目に入ることによって、セロトニンの分泌量は増加します。

ちょっと意外な気もしますが、安眠のためには日中太陽の光を目に入れることが大事なんです。

そしてもうひとつ、大切なポイントがあります。それはセロトニンの材料です。メラトニンの材料がセロトニンだったように、セロトニンにも元になる物質があります。

トリプトファンが安眠の鍵になる

セロトニンの材料になるのはトリプトファンです。トリプトファンはアミノ酸の一種です。主に食品のタンパク質に含まれていて、体内に入って脳に運ばれたあと、セロトニンに変化します。そして、夜になるとセロトニンは「睡眠ホルモン」であるメラトニンに変わり、眠りをサポートします。

ここでポイントになるのは、トリプトファンが「必須アミノ酸」だという点です。必須アミノ酸というのは、人間の体内では生成できないアミノ酸のことを指します。

セロトニンやメラトニンは体内で生成できますが、トリプトファンは生成できない……これは重要だと思います。なぜなら、日々の食事からトリプトファンを摂らなければ枯渇してしまうからです。

トリプトファンが含まれる食べ物

では、トリプトファンはどんな食べ物に多く含まれているのでしょうか。含有量が多いのは肉類や魚介類です。また、白米やパンなどの穀物にも含まれています。
(詳細:トリプトファンが多く含まれる食品まとめ

トリプトファンの必要摂取量は、体重1kgにつき2mg(1日あたり)と言われています。体重60kgの場合、120mgが摂取量の目安になります。通常の食生活をしていれば、この数値は余裕でクリアできると思います。

たとえば、肉類なら100gあたり約200mgのトリプトファンが摂れるので一発合格です。また、ご飯1杯には約60mg、食パン1枚には約50mgのトリプトファンが含まれています。

しかし、摂取したトリプトファンは次々にセロトニンの合成に使われるので、在庫をため込むことはできないそうです。専門書には、「トリプトファンが含まれない食事に切り替えると、わずか24時間で血中トリプトファン濃度は著しく低下する」という話も載っていました。

なので、毎回の食事ごとにある程度のトリプトファンは摂っておきたいですね。

トリプトファンを不眠改善に利用するには

さらにもうひとつ、覚えておきたいポイントがあります。それは「必要最低限の摂取量」と「何らかの効果を期待する摂取量」は異なることです。

トリプトファンを不眠改善のために活用したい場合は、通常よりも意識して摂る必要があります。

どのくらいの量を摂れば安眠効果が期待できるのかというと、諸説ありますが、一日あたり500~1000mgのようです。この摂取量を、食事だけで確保するのはかなり難しいと思います。

正直なところ、トリプトファンを確実に摂取しようと思ったら、サプリメントを使うのが手っ取り早いです。私自身はそうしています。

ただ、「サプリメントを使うほどではないかも……」という方も多いと思います。その場合は、下記ページを参考にして、食事からトリプトファンをしっかり摂るようにしてみて下さい。

追記

メラトニン、セロトニン、トリプトファンの関連ページをまとめました。

メラトニン

セロトニン

トリプトファン